個人再生のメリット・デメリット

個人再生のメリット・デメリットを詳しくご紹介します。個人再生をご検討でしたら是非一度ご覧ください。

メリット
1 借金が大幅に減額される
2 マイホームを残せる
3 その他の財産も残せる
4 ギャンブルで作った借金でも利用できる
5 職種を問わず利用可能
デメリット
1 今後約7年間、借入ができなくなる
2 氏名や住所が官報に載る
3 一部の債権者を除外できない
4 家族に秘密にできない場合がある
まとめ

メリット

1 借金が大幅に減額される

原則は5分の1まで圧縮されます。例えば500万円の借金でしたら個人再生の認可により100万円となります。かつ、今後の返済にかかる利息もかかりません。ただし、財産の総額が高額となる場合や、過去2年間の所得がかなりある場合は、5分の1まで圧縮されないケースもあります

2 マイホームを残せる

今後も住宅ローンを支払続けることで、マイホームを残せることが自己破産と比べた場合の個人再生の最大のメリットになります。

3 その他の財産も残せる

マイホーム以外でも、ご自身のお持ちの車や保険といった財産をそのまま残せます。ただし車のローンが終わってない場合は、業者が所有権を留保して販売しているケースが多いので、返却しなければならない可能性があります。

4 ギャンブルで作った借金でも利用できる

自己破産の場合、ギャンブルで作った借金は免責不許可とされるケースもありますが、個人再生は借金の原因がギャンブルであっても手続きを利用し、認可決定を得ることが可能です。

5 職種を問わず利用可能

自己破産のように手続き中に資格制限を受けるということがありませんので、職種を問わず個人再生の手続きを利用することができます。

デメリット

1 今後約7年間、借入ができなくなる

個人再生の手続きを行うと、今後約7年間、新たな借入れやローン、クレジットカードの利用ができません。個人再生を行ったという情報が、信用情報機関に事故情報として登録されるからです。

ただ、自己破産や任意整理の手続きを行った場合も、信用情報機関へ登録されてしまいます。ですので、個人再生特有のデメリットというわけではありません。また、個人再生をされる場合は、これを機会にしっかりと家計の見直しを行い、お手持ちの現金の範囲内で家計管理をしていただくことをおすすめしていますので、借入ができないこと・クレジットカードの利用ができないことをデメリットとして感じていただくこともないかと思われます。

2 氏名や住所が官報に載る

国が発行している官報に、住所・氏名が掲載されます。このことから、知人に知れ渡ってしまうのではないか、ということを懸念される方がいらっしゃいます。しかし、毎日官報を隅々まで読んでいる人はそうそういないと考えられますので、官報に掲載されたことが原因で周囲に知られてしまう可能性低いでしょう。

3 一部の債権者を除外できない

任意整理の場合、司法書士と債権者との私的な話し合いですので、一部の債権者を除外して進めていくことができます。たとえば車のローンが残っているがどうしても仕事で車が必要という場合、当該ローン会社を任意整理の対象から除外して、車に乗り続けるという方法です。

それに対して個人再生の場合は、裁判所を介する公権的手続きのため、債権者平等の原則が働き、一部の債権者を手続きから除外するという事ができません。そのため、ローンが残っている場合、車を業者に返還しなければならないケースがあります。こういった柔軟性がないのが、任意整理と比べた場合の個人再生のデメリットといえるでしょう。

4 家族に秘密に出来ない場合がある

個人再生を行うにあたっては、様々な書類を裁判所に提出する必要があります。これは、個人再生の手続きをされるご本人のものだけに限られず、同居のご家族の分も必要となる書類もあります。例えば、同居のご家族で収入を得ている方がいらっしゃる場合、その方の給料明細を裁判所に提出しなければならない、といったものです。そのため、ご家族の方から給与明細を借りる場合に事実上個人再生の申立てをすることを説明しなければならないケースもあるでしょう。また家計簿の提出も必要なため、家計管理をすべて奥様(ご主人様)に任せているような場合も同様です。そのため、一人暮らしでない場合は、ご家族の方に個人再生の事実が知られてしまう可能性があります。

まとめ

個人再生の手続きを行う場合にネックとなるのは、やはり一部の債権者を除外できない点や、ご家族の方に秘密で進めることが難しい点かと思います。

一部の債権者を除外出来ないという点ですが、親族の方に代わりに返済してもらうといった方法で事実上、一部の債権者を除外できる場合があります。

次に、ご家族の方に秘密で手続きを進めることが難しいという点ですが、ご家族の方が個人再生の手続きについてご存知でない場合、個人再生をすることで今後の生活にどのような影響がでるのかという点について強くご不安をお感じになることと予想されます。そのような場合、ご家族の方も一緒にご相談にお越しいただければ、今後の手続きの流れや、個人再生のメリット・デメリットを詳しくご説明させていただき、ご家族様のご不安をできるだけ解消できるようお手伝いさせていただくこともできます。

その他にも、講じうる手段というのはいくつかありますので、デメリットに対する回避策もお気軽に司法書士にご相談ください。

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